授業科目概要

歯科治療や各種歯科用装置の製作に使用される歯科成形加工用材料について、種類や歯科理工学的性質(力学的、物理化学的、生物学的)について学び、用途ごとに求められる所用性質との関連性について理解する。また、これらの材料を成形加工するための基本的な技術や理論、使用する機械・器具の取扱い方法と安全管理について学習する。

学習目標(一般目標)

1.各種歯科用装置の製作に必要な材料と加工技術に関する基礎知識を習得する.
2.歯科材料の特性や成形加工技術と品質との関係について理解する.
3.歯科理工学実習および専門科目の基礎実習で適正に機材を使用できることを目標とする.

学習目標(到達目標)

1.歯科材料の種類,主な規格、試験方法についてまとめ整理できる.
2.歯科材料の力学的,物理化学的性質,生物学的性質の関連用語の意味を説明できる.
3.材料の力学的性質を応力-ひずみ曲線の特徴から説明できる.
4.歯科技工用器械器具の構造,操作法,保守点検について説明できる.
5.石膏の種類と物理化学的性質を説明できる.
6.原型用ワックスの種類と用途,組成,性質を説明できる.
7.印象材の種類と所用性質,物理化学的性質,印象材と模型との関係を説明できる.
8.義歯床用レジン(MMA-PMMA系)の組成,性質,重合成形方法を説明できる.
9.義歯床用熱可塑性樹脂の性質、射出成形法を理解し,説明できる.
10.歯冠用硬質レジンの組成,性質,重合成形方法を説明できる.
11.金属焼付陶材の種類,成分,性質,焼成法,金属との結合を説明できる.
12.オールセラミックスクラウン陶材の種類と成形法を説明できる.
13 接着機構,修理材料の種類、使用法を説明できる.
14.歯科用合金の種類,所用性質を説明できる.
15.歯科鋳造用金合金および銀合金,コバルトクロム合金,チタン合金の性質、組成と成分の役割を説明できる.
16.歯科精密鋳造方法の特徴と原理,工程を理解し,説明できる.
17.鋳造欠陥の分類と発生原因,その防止策について説明できる.
18.金属の接合方法の種類,ろう付け用材料とろう付け方法を説明できる.
19.歯科用合金の熱処理の方法について説明できる.
20.各種歯科用装置の仕上げについて理解し、説明できる.
21.各種歯科用装置の生体安全性、安定性について理解し、説明できる.


成績評価方法

評価方法
 成績評価の配分は中間試験50%、定期試験50%とし、合計した100%により判定する。

成績評価基準

客観(多肢選択問題、穴埋め問題、○×問題)100%とし、上記「学習目標」の理解度を評価する。
中間試験と定期試験の得点の平均60%以上を合格とし、満たない場合は全範囲に対して再試験を行う。

試験・課題のフィードバック

出題範囲の明示、要点解説の実施
試験後の解答および解説の実施

学修成果 (評価の目安)

◎理想的な達成レベル(秀・優レベル)
 ①臨床応用によりQOLの向上、健康、福祉に貢献する。【思考・判断・表現】
 ②歯科材料、器具・器械の科学的な取扱い技術、成形法を理解・修得する。【知識・理解】
◎標準的な達成レベル(良・可レベル)
 ①歯科臨床に欠かせない歯科補綴装置、歯科材料、器具・器械の有用性について理解する。【関心・意欲】
 ②歯科材料の力学的、物理科学的、生物学的性質を理解する。【知識・理解】
 ③歯科材料、器具・器械の取扱い技術を理解・修得する。【知識・理解】
 ④様々な器具・器械を使用し、各種材料の成形法を理解・修得する。【知識・理解】

達成度の評価

ディプロマポリシー定期試験レポート課題受講態度合計
1010
8080
1010
合計100100

指定教科書

歯科技工士教本 最新歯科理工学 初版    
歯科技工実習

参考図書等

解明歯科理工学 第2版 長谷川二郎、他著 新編歯科理工学 第3版 小田豊偏
歯科材料の安全性及び有効性試験ガイドライン作成に関する研究 佐藤温重、他著 
歯科用金属材料組織写真集 神澤康夫
日本工業規格JIST6116 歯科鋳造用金合金,JIST6106 歯科鋳造用金銀パラジウ合金,JIST6111コバルトクロム合金チタン

留意事項

【国家試験科目】
化学、生物学、物理学の基礎知識は歯科技工の学習に関連する内容があります。必要に応じ高等学校の教科書、参考書を今一度ひもといたり、図書館を利用して予習、復習することは、歯科理工学の理解に役立ちます。歯科理工学実習ならびに関係教科目の進捗を配慮し、講義を有効に進めていきます。