授業科目概要
生物事象ないし医学/医療情報の分析では、それらの数量化が適切になされないと解析によってもたらされる統計量は意味を持たない。一方、研究成果の公表に際し、研究資料の解析は研究計画にも増して重要となることがある。この講座では数量化と解析において注意すべき点をひろいながら、それらの基礎に触れていく。
学習目標(一般目標)
統計解析は本来数学的に計算するものであるが、コンピュータとそのソフトウェアを正しく使用すれば、素早く、容易に分析を始められる。しかし、IT時代に伴い、集まる情報量も拡大していることから、データ構造(データ配列)を読みとり、そのデータ配列に相応しい解析モデルを選択/設定する能力が重要であるといえる。
従って、ここでは、データを読み取り、正しい統計手法を選択し、正しく統計ソフトウェアを利用する力を身につけることが目標となる。
学習目標(到達目標)
データ構造あるいはデータ配列を見て、どのような統計解析法が相応しいのか、選択できる
1.生物事象ないし医学/医療情報の数量化と推定,検定の原理を理解する(授業計画1-2参照)
2.母集団と標本,あるいは標本と標本の比較について理解する(授業計画3-5参照)
3.1変数多標本における比較を理解する(授業計画6-7参照)
4.相関と回帰について理解する(授業計画8参照)
成績評価方法
以下により総合評価を行ない合否を判定する。
1.レポート 60%
2.課題提出 40%
成績評価基準
1.レポート
課題に対する必要なキーワード、内容、参考文献の有無にて評価する。
レポートは40点満点。
2.課題
コンピュータを用いた統計処理演習における、課題提出の有無で評価する。
課題はすべて提出して60点(取り組んでいない課題はその割合で減点)。
評価点(1+2)60%以上を及第基準とし、達しない場合、レポート再提出。
試験・課題のフィードバック
・レポートは採点後返却する
・課題は評価後問題あれば各個に知らせる。
学修成果 (評価の目安)
◎理想的な達成レベル
①統計処理を十分理解し、自らデータに適用し考察できる。
②エクセルや統計ソフトウェアを利用し、自ら一連の統計処理を行うことができる。
○標準的な達成レベル
①統計処理の目的について説明できる
②統計処理方法について理解し説明できる
③データに最適な検定の適用ができる
達成度の評価
ディプロマポリシー | 定期試験 | レポート | 課題 | 受講態度 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | |||||
2 | |||||
3 | 20 | 20 | 40 | ||
4 | |||||
5 | 40 | 20 | 60 | ||
6 | |||||
合計 | 60 | 40 | 100 |
指定教科書
・プリント(適宜配布)
・歯科衛生士学科1年次「情報統計論」で用いた教科書
歯科衛生士教本 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み3
「保健情報統計学」 全国歯科衛生士教育協議会監修(医歯薬出版)
参考図書等
参考書 医統計テキスト:遠藤和男,山本正治(西村書店)
参考書 ナースのための統計学 データのとり方・生かし方:高木廣文(医学書院)
参考書 バイオサイエンスの統計学:市原清志(南江堂)
参考書 よくわかる医療・看護のための統計入門(東京図書)石村貞夫・萬里小路直樹著
参考書 コ・メディカルのための統計学入門(日本放射線技師会出版会)並木昭義監修・山蔭道明編著
参考書 すぐわかる統計解析(東京図書)石村貞夫著
参考書 すぐわかる統計処理(東京図書)石村貞夫著
その他 講義や演習の進行に合わせて適宜プリント配布
留意事項
講義の進行に合わせて、適宜コンピュータを利用した統計処理演習を行う。主に表計算ソフトウェア(Microsoft Excel)を利用する。
- 教師: 植木 一範