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授業科目概要
【解剖学分野】
人体の基本構成単位である細胞と、その集合である組織(組織学)および人体の形成過程(発生学)について解説し、次いで人体の形態と構造(人体解剖学)を系統別に解説する。
また、歯学部解剖学分野教員および歯科医師としての教育・臨床経験をもとに、歯科衛生士に必要とされる全身の解剖学的知識を中心に講義する。(井上)
【生理学分野】
生命現象がどうして起こるのか、そのメカニズムに焦点をあて、考える学問が生理学である。生理学では、生命現象の発現に重要な働きをしている神経系に着目し、神経細胞や筋細胞などの細胞に見られる活動電位の発生と伝導のしくみ、イオンチャネル機構、シナプス伝達などの神経系の役割を理解する上で必要となる知識を解説する。さらに、生体内の環境を最良な状態に保つ働き (恒常性の維持) のしくみについて解説する。
また、歯学部生理学分野教員および歯科医師としての教育・臨床経験をもとに、歯科衛生士に必要とされる全身の生理学的知識を中心に講義する。(山村、岡本)
学習目標(一般目標)
【解剖学分野】
人体の正常な形態と構造を理解し、歯科衛生士として必要な解剖学的知識を修得する。
【生理学分野】
歯科衛生士として歯科医師と協働して良質な歯科医療を提供するために、生体機能の基本原則をふまえた上で、個々の生体機能を解剖学・薬理学・生化学で得られる知識と関連づけて理解し、一般の人にわかりやすく説明できる能力を修得する。
学習目標(到達目標)
【解剖学分野】
人体の区分と方向用語を述べることができる
人体を構成する器官系を分類できる
細胞の構造について説明できる
組織を4つに分類し、特徴を説明できる
人体発生のしくみを概説できる
染色体とDNAの関係を説明できる
骨の構造と機能を説明できる
骨の結合について説明できる
体幹骨および上肢骨・下肢骨の名称を列記できる
生体を構成する主な筋を列記できる
筋を形態により分類できる
構成する筋線維の違いにより筋を分類できる(骨格筋、平滑筋、心筋)
消化管(食道、胃、小腸、大腸)・消化腺(肝臓、膵臓)の基本構造を説明できる
動脈、毛細血管および静脈の構造と血管系の役割を説明できる
体循環と肺循環を説明できる
心臓の構造と機能を説明できる
リンパ系の構造と機能を説明できる
神経系を分類し、解剖学的特徴を説明できる
中枢神経の構造と各部位の働きを概説できる
自律神経の特徴を説明できる
肺と気道系(鼻腔、副鼻腔、気管、気管支)の構造を説明できる
視覚器、平衡聴覚器、外皮、味覚器、嗅覚器の構造と機能を説明できる
腎臓と尿路(尿管、膀胱、尿道)の構造を説明できる
内分泌器官の構造と機能およびホルモンを概説できる
生殖器の構造と機能を概説できる
【生理学分野】
ホメオスタシスの概念を説明する
細胞の基本的な構造と機能を説明する
細胞内外のイオン組成や、膜の選択的イオン透過性とその変化が膜電位を決定することを理解する
膜電位の発生機序を説明する
神経線維の種類とそれぞれの機能を関連づける
興奮伝導の3原則を説明する
神経から神経、また神経から筋へと興奮が伝達される仕組みを説明する
シナプスの種類と伝達物質を列記する
刺激を受容する受容器と感覚の種類を関連づける
刺激を活動電位に変換するメカニズムを説明する
体性感覚受容器の種類とその応答様式を関連づける
体性感覚の上行路を説明する
骨格筋の収縮様式を理解し、図示する
骨格筋の興奮ー収縮連関を説明する
自律神経系の作用を列記する
中枢神経系の区分と機能を関連づける
血液の成分とその働きを関連づける
止血と血液凝固の仕組みを説明する
循環回路の構成を図解する
心電図波形と刺激伝達系を関連づける
成績評価方法
以下のものによる総合判定とし、合計点が60点以上を合格とする。不合格の場合は、該当分野の再試験を行う。
① 定期試験(100%)
・解剖学分野:50% ※ 解剖学分野は、小テストを行うが、評価には用いない。
・生理学分野:50%
成績評価基準
【解剖学分野】
評価方法は客観(多肢選択等)100%とし、上記「到達目標」の理解度を評価する。
【生理学分野】
評価方法は客観(多肢選択等)100%とし、上記「到達目標」の理解度を評価する。
なお、解剖学分野と生理学分野の合計点が合格点となっても、各分野で不合格となっている場合は、学修成果を上げるため、課題提出を課す。課題提出方法は該当者へ連絡する。
試験・課題のフィードバック
【解剖学分野】
試験問題の回収および答案は返却せず、別紙で模範解答を掲示する。
学修成果 (評価の目安)
【解剖学分野】
◎理想的な達成レベル(秀・優レベル)
人体の構造とその役割を理解し、説明できる【知識・理解】【思考・判断・表現】
◎標準的な達成レベル(良・可レベル)
人体発生のしくみ、人体を構成する組織を説明できる【知識・理解】
人体の形態と構造を適切な解剖学用語を用いて説明できる【知識・理解】
【生理学分野】
◎理想的な達成レベル(秀・優レベル)
・患者とのコミュニケーションの中で患者の全身状態に関する情報を収集できる【態度】【関心・意欲】
・患者の全身状態を配慮した歯科的処置を選択できる【態度】
◎標準的な達成レベル(良・可レベル)
・在宅医療の現場で患者やその家族からの質問に対し、コ・デンタルスタッフとしての信頼を裏切らない回答ができる【知識・理解】【思考・判断・表現】
・チーム医療の現場で、メディカルスタッフの意見が理解できる【知識・理解】
達成度の評価
ディプロマポリシー | 定期試験 | レポート | 課題 | 受講態度 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | |||||
2 | |||||
3 | 100 | 100 | |||
4 | |||||
5 | |||||
6 | |||||
合計 | 100 | 100 |
指定教科書
歯科衛生学シリーズ 人体の構造と機能1 解剖学・組織発生学・生理学 (医歯薬出版)
【解剖学分野】
講義時の配布プリント
【生理学分野】
講義毎にプリントを配布する。
参考図書等
【解剖学分野】
入門人体解剖学:藤田恒夫著(南江堂)
解剖学の手びき:寺田春水、池田敏子著(南山堂)
【生理学分野】
基礎歯科生理学(第5版)(医歯薬出版)
留意事項
【解剖学分野】
口腔領域の解剖学、口腔組織発生学は「口腔解剖学」で学習してください。
配布プリントと小テスト項目を記載したノートはファイリングして復習に使用してください。
スマートフォン等によるモニタ撮影は禁止とします。
【生理学分野】
2/3以上の出席をもって定期試験の受験資格とする。
予習は必要としないが、講義後は講義スライド・教科書などを用いて復習し、前回の講義を理解した状態で講義に臨むこと。
講義資料はWebに貼り付ける予定であるので、必要に応じて各自http://www.dent.niigata-u.ac.jp/physio/physio.html よりダウンロードして欲しい。